今回はバイクの二人乗りに関する記事です。
バイクの楽しみはもちろん、ソロで行きたい場所に気軽に移動できるのがメリットですが、友人や恋人、夫婦や親父でも、タンデムライドを楽しめるのもバイクの醍醐味です。
バイクの二人乗り・タンデムですが、免許取得後、だれもがすぐに二人乗りができるわけれはありません。
今回はバイクの二人乗り・タンデムで気をつけるポイントについて書きます。
この記事は、以下のような方向けの記事です。
- バイクの二人乗り・タンデムに興味がある方
- これからバイクの二人乗りをしようと考えている方
- バイクの二人乗り・タンデムのしやすいバイクを選んでいる方
バイクの二人乗り・タンデムは免許取得後すぐには不可
まずはじめに、バイクの二人乗り・タンデムが可能な条件があります。
個人的にいくらライディングスキルが高くても、これらの事項を満たさずにバイクを二人乗り・タンデムでライドすることは違反になりますので、注意が必要です。
二輪免許を取得してから1年以上経過していること
バイクの二人乗り・タンデムができるのは、バイクの普通二輪免許および、大型二輪免許を取得してから1年を経過している運転手になります。
1年経過せずに運転して、見つかった場合は、違反として罰金と違反点数がつきます。見つからなければ大丈夫だと思っていても事故などに巻き込まれた場合、発覚する可能性が高いので、期間を満たしていない場合は1人乗りでじっくりと技術を磨きましょう。
排気量50ccを超えて二人乗りが可能なバイクであること
いわゆる原チャリは二人乗りできません。
また、50ccを超えていても、1名乗車とされているバイクも、二人乗り・タンデム走行は不可です。
高速道路の二人乗り・タンデム走行はさらに条件が厳しい
ここまでが一般的な二人乗り・タンデム走行の条件になります。
ここからは高速道路の二人乗り・タンデム走行が可能となる条件について書いていきます。高速道路の二人乗り・タンデム走行はさらに高いスキルと経験が必要になりますので、下記のように決まっています。
運転者が二十歳以上である
高速道路で二人乗りをする場合、運転者が二十歳以上であることが必要です。いくらバイクの運転歴が長くても、年齢に達している必要があります。
これは、ある程度無理・無茶な運転をしない年齢というボーダーラインになっている気がします。首都高はやはり、カーブや合流、道の狭さなど、比較的ベテランの方が走っている印象ですが、それ以外の高速道路についてはなかなか攻めた運転をしている方も多いです。そういった中で、常識的な運転をできるレベルである必要があります。
バイクの免許を取得して3年経過していること
普通二輪免許、大型二輪免許を取得してから3年が経過している必要があります。
先程は免許取得後1年でしたが、高速道路については、普段からバイクに乗っていて、3年間特に何も問題がなければ高速で二人乗りが可能なスキルや経験を積んでいると認められるのです。
排気量が125ccを超えており2名乗車可能なバイクであること
一般道では50cc超えが必要でしたが、高速道路を二人乗りで走行する場合は、125ccを超えており、2名乗車が可能なバイクであることが条件です。一般的な高速道路は80キロ制限がメインですが、あまりにのろのろ運転で走る事もとても危ない行為です。
バイクの排気量がある程度ないと、80キロ程度で走行することが難しいのです。
特に二人乗りでは、重量が増えますので、さらに出力が伸びずに、後ろから追突されたり、最悪後続車をいらいらさせる可能性がるので、あおり運転につながるケースもあります。多くのバイク乗りで大型バイクが人気の理由も、高速速走行がより楽に走る事ができるので、大きい排気量のバイクが欲しくなります。
特に、二人乗りメインで考えている場合、二人乗っても十分なトルクのあるバイクは、乗っていて安心感が違います。ただし、大型のバイクは力強い加速力の反面、低速域での繊細なアクセルワークも必要になりますので、より熟練の操作が必要になる、というわけです。
一部の首都高速道路ではないこと
一部の首都高速道路では、以上の条件に関わらず、バイクの二人乗りが禁止されています。知らずに入ってしまったということの無いように、付近の高速道路を走行時は、事前によく確認をしておく必要があります。私は慣れるまでは、郊外の高速道路から乗り始めて、道がわかるようになってから首都高速の沿道も走るようになりました。
首都高は、まずは一人乗りで走行することで、合流や入り口、出口が分かってくるので、ある程度慣れるまで、首都高を一人で走ることをおすすめします。ただ、首都高は急カーブや合流や分岐が左右にあるため、バイクの運転に十分なれてから走るようにしましょう。首都高を走っている自動車は道になれている車が多いので、慎重に走りすぎても逆に危なかったりします。
首都高をバイクで走る際は、一人乗りでナビを見ないで走れるくらいまで慣れてから、走りましょう。慣れてくると二人乗り禁止の看板を見る余裕が出てきて、二人乗りで侵入してはいけないICも分かってきます。
ここまで、バイクの二人乗り・タンデムが可能となる条件について、書いてきました。どんなに運転がうまくても、この条件は絶対ですので、よく理解して違反をしないようにしましょう。
二人乗りはバイクの挙動が変わる
バイクの二人乗りにここまで厳しい制限がされているのは、バイクの二人乗りはとても高い知識と経験が必要になるからです。また、いざという時に2人分の重量を支えられる筋力も少しだけ必要です。
ここからは、バイクの一人乗りと二人乗りで、バイクの挙動がどのように違うのかを書いています。
二人乗りでは半クラッチの操作が変わる
まずは、半クラッチの操作感が変わってきます。
一人乗りでは、バイクの停車時からスタート時にあまりアクセルを開けずにクラッチをゆっくりめに繋いであげれば、バイクがするすると動き出します。一方で二人乗りの場合、ある程度しっかりとアクセルをあけつつ、半クラッチを少し長めにしっかりスピードに乗せてあげないと、バイクがガクガクすることがあります。
これは、バイクの低速時トルクによっても変わりますが、一人乗りよりは大きめにアクセルを開いてあげた方がスムーズに発進できます。なかなかバイクが走り出さなくても、慌てずに半クラッチでつないであげるような冷静さが少し必要になります。
二人乗りではバイクの制動距離が長くなる
バイクの二人乗りでは、重量が増えますので、一人乗りに比べてバイクのブレーキの効きが緩くなり、停止までに長い制動距離が必要になります。したがって、より早めのブレーキ操作が必要になります。急ブレーキはパッセンジャーにとっても危ない行為になりますので、なるべく急ブレーキとならないような運転が必要です。
特に、最近のバイクはABSを搭載しているものもあり、タイヤのロックによるスリップなどを抑えるような制御もされていますが、ABSがなかったりすると後輪が横滑りする事もあり、特に二人乗り時は姿勢を立て直すのが困難になります。急ブレーキ操作をしなくても安全に停車できるように、次の2つの点を心がけて運転しましょう。
車間距離をより広くあけて走る
バイクの二人乗り時は、一人乗りの場合よりもさらに、前を走っている車との車間距離を広めに開けましょう。そうすることで、ゆるやかにブレーキを操作しても、車間距離が広い分だけ停車するのに十分な距離がありますので、焦って速度を落とす必要もありません。
走行速度を落とす
一人乗りの時よりすこしスピードを落として、ゆっくり走ることで、長い制動距離が不要となります。速度は制動距離にかなり大きく関係していて、数キロスピードを落とすことでかなり短く止まることができます。
見通しのよい道で、後ろから速いスピードで車が追いついた場合、自分のバイクのスピードはあげずに、ハザードをつけて左側に寄って、道を譲ってしまいましょう。
俊敏なターンができない
バイクの二人乗り時は、ターンも俊敏に行うことが難しく、よりゆっくりしたターンになります。また、車体を大きく傾けてカーブすることも難しくなります。俊敏にターンが難しいので、カーブのへの進入速度もより緩やかに進入する必要があります。
また、登り坂+急カーブだった場合、姿勢の立ち上がりにより大きなトルクが必要になりますので、場合によっては普段より低めのギアを使って走るのも有効です。
急加速・急減速がNG
バイクの二人乗り・タンデム時は一人乗りと比べても重量が増えますので、加速や減速がもっさりします。また、パッセンジャーはハンドルを握っているライダーよりも、姿勢が不安定になります。
したがって急加速・急減速は非常に危ないですし、パッセンジャーにも負担が大きいです。特に、バイクに乗り慣れていないと、とても怖く感じます。
バイクの二人乗りでは基本の運転姿勢がさらに大事になる
バイクの二人乗り・タンデム時は、バイクを運転時の基本姿勢がより重要になります。例えば、上半身は力を抜いてハンドル操作がしやすいように、下半身はニーグリップをしっかりして、イメージとしては腰でしっかりバイクを固定するようなイメージです。
そうすることで、重量が増えても姿勢が不安定になることなく、無駄な力をかけずに走ることができます。
バイクの二人乗りに慣れていないパッセンジャーへの配慮
バイクに乗った事のない人にとって、バイクの二人乗りは未知の世界です。最初は、低速時であっても、風圧やスピード感に恐怖を感じる事でしょう。そんな初めての二人乗りの際や、高速道路での走行時に、タンデム用の補助ベルトがあります。
私も1本持っていて、二人乗りを始めた時はこのベルトを使って走りました。
未使用時に比べてパッセンジャーとライダーとの密着度が高くなるため、ライダーによっては運転操作がやりにくい場合があるかもしれませんが、パッセンジャーにとっては、とても安心して乗れるということで、私はしばらくこれを使っていました。
ベルトなので、未使用時は小さく畳んでしまっておけるので、ツーリング先に持って行くのも簡単です。
二人乗りは愛車の挙動を理解して、安定して運転できるようになってから
ここまでバイクの二人乗り・タンデム可能となる条件や、バイクの挙動について書いてきました。
実際に二人乗りでは、想像以上に想定外の力がかかったりバイクの挙動をしますので、今乗っている愛車の特性を十分に理解して、低速走行や高速走行、カーブなどをよく走り込んで不安が無くなった状態で二人乗りを楽しむ事をおすすめします。
バイクの二人乗りができると、バイクでしか感じれないもの(景色やその地の香りなど)も共有できたりして、楽しみ方が広がりますので、慌てずゆっくり慣しながら走って行きましょう。
余談ですが、バイクの二人乗り・タンデム時はインカムがあると、パッセンジャーとも大声で話す必要がありませんので、おすすめです。