BMW R1250RSからHONDA CT125ハンターカブに乗り換えました。
以前乗っていた大型バイクと比べると、排気量はわずか10分の1。この記事では、大型バイクを手放すことになった経緯に少し触れつつ、納車後50kmほど走ってみて実際に感じたことを、元大型バイク乗りとしての視点からまとめていきます。
この記事は、以下のような方向けの記事です。
- 大型バイクに乗りたい、または乗る予定のある方
- BNWのバイクを検討中の方
- バイクのダウンサイズを考えている方
- 高速道路は利用せず、近場だけで使えるバイクを探している方
- 日常的に使いやすいバイクを探している方
- 原付二種免許をお持ちの方
- HONDA CT125ハンターカブに興味を持っている方
BMW R1250RSを手放すきっかけ
私がBMW R1250RSを手放した理由は大きく2つあります。ひとつは生活費の見直し、もうひとつは駐輪スペースの確保です。
住んでいるマンションには大型バイクを停められる駐車区画がなく、バイク用のコンテナをレンタルしていました。毎月の費用は1万円台後半。しかも昨今の物価高の影響で、レンタル代もさらに値上がり傾向にありました。
一方で、マンションの駐輪場には「全長2メートル以内の車両しか停められない」という制約がありました。そんな中、偶然1台分のスペースが空いたのです。
その条件に収まるサイズで、かつ乗っていて楽しいバイクを探すなかで候補に上がったのが、CT125ハンターカブでした。
CT125ハンターカブとは
スーパーカブをベースに進化したアウトドアモデル
HONDA CT125ハンターカブは、世界中で親しまれてきたスーパーカブをベースに開発された派生モデルです。スーパーカブといえば、ビジネスや日常の足として高い信頼性と実用性を誇る存在。そのDNAを受け継ぎつつ、ハンターカブは“アウトドア”や“冒険心”を前面に押し出して進化しました。
街中の買い物や通勤といった普段使いはもちろん、林道やちょっとした未舗装路にも気軽に入っていける走破性が魅力。「どこへでも行けるバイク」として人気が高い理由がここにあります。
コンパクトで扱いやすいサイズ感
排気量は124ccで、区分は原付二種。高速道路の走行こそできませんが、一般道では十分な余裕を持って走れます。
全長は2メートル以内に収まるため、都市部のマンションやアパートで駐輪スペースが限られているライダーにとっては大きなメリット。大型バイクでは駐輪先を探すだけでも一苦労ですが、ハンターカブならその心配はぐっと減ります。
軽量だからこその取り回しの良さ
大型バイクから乗り換えて最初に驚くのは、その軽さと取り回しのしやすさです。狭い駐輪場でも押し引きが容易で、信号待ちや渋滞のときの負担も軽減されます。
エンジン性能は控えめですが、そのぶんスピードを求めずに「移動そのものを楽しむ」という新しいスタイルを体験できます。景色を眺めながらゆったり走れることが、ハンターカブの大きな魅力です。
日常使いからアウトドアまでこなせる積載性
ハンターカブには標準で大きなリアキャリアが装備されています。日常の買い物袋からキャンプ用品まで積載できるため、日常と趣味を両立できる万能さがあります。
さらに社外パーツも豊富で、トップケースやサイドバッグを追加すれば本格的なツーリング仕様に早変わり。実用性と遊び心を同時に満たしてくれるモデルといえます。
大型バイクとCT125ハンターカブの乗り心地の違い
私が乗っていたBMW R1250RSは、排気量1250ccのスポーツツアラー。高速道路での直進安定性や電子制御サスペンションによる路面追従性は圧倒的で、ロングツーリングにおいては右に出るものがないと感じていました。
一方、CT125ハンターカブはその真逆。長距離や高速巡航は苦手ですが、市街地でのストップ&ゴーを軽快にこなし、日常的に「ちょっとそこまで」を可能にするフットワークがあります。
サスペンションは荷物積載を想定した仕様で、普段はやや柔らかめ。ただ、路面の凹凸も素直に吸収し、安心感のある走りを見せてくれます。私はオフロードに行く予定はありませんが、将来的には社外サスペンションでさらに接地感を高めるのも面白いと考えています。
CT125ハンターカブの軽さ・足つきの良さ
BMW R1250RSは車重が250kgを超えており、取り回しには常に緊張感が伴いました。特に傾斜地や狭いスペースでは体力と集中力が試されます。
それに対してCT125は120kg程度と半分以下。取り回しの軽快さは圧倒的で、自転車に近い感覚すらあります。
足つきに関しては、大型バイクのBMWには電子制御サスペンション(ダイナミックESA)があり、身長173cmの私でも両足べったり着けました。それに比べるとハンターカブはつま先立ち気味になります。ただ、走り出してしまえば膝に余裕ができ、姿勢としては非常に楽に感じます。
スピードは出ないが「余裕を持った走り」が楽しめる
CT125は加速力も最高速も控えめで、同クラスのスクーターにも簡単に抜かれてしまいます。全開にすれば90km近くは出ますが、振動が強く長時間走るのは現実的ではありません。
けれども、このバイクの魅力はそこにあります。50〜60km程度で流すのが心地よく、街並みや景色を楽しみながら走れるのです。大型バイクの「駆け抜ける爽快感」とは違う、「のんびりと余裕を持つ楽しさ」を教えてくれるのがCT125の大きな価値だと感じています。
CT125ハンターカブの日常生活や趣味としての使いやすさ
CT125の強みはリアキャリアによる積載性と、豊富な社外パーツにあります。買い物や通勤に便利な実用パーツから、キャンプやロングツーリングに対応できるアウトドア仕様まで、幅広くカスタマイズが可能です。
BMW R1250RSは最初から完成度が高く、改造の余地はほとんどありませんでした。それに対しCT125は、自分のスタイルに合わせてカスタマイズでき、その違いをしっかり体感できる楽しさがあります。

まとめ:大型から小型へ――視点が広がった乗り換え体験
大型バイクに乗っていた頃は「快適性や長距離ツーリングのしやすさこそが最終形態」だと思っていました。BMW R1250RSはまさにそれを体現した1台であり、同時に「走りたがるじゃじゃ馬をなだめる楽しさ」がありました。
しかしCT125に乗り換えてみると、まったく違う世界が広がりました。遠くを目指すのではなく、近くの街や身近な風景に目を向けられるようになり、スピードやパワーでは測れない「ふところの広さ」を感じられるようになったのです。
それは、大型バイクで多くの旅を経験したからこそ見えてきた景色かもしれません。
「走りを極める」から「身近な時間を楽しむ」へ。ダウンサイズは妥協ではなく、新しい楽しみ方への入り口でした。
そして何よりも、大型を経験したからこそCT125の気軽さや自由さがより鮮明に感じられます。もし大型バイクに憧れている方や、すでに乗っている方がダウンサイズを考えているのであれば、CT125ハンターカブは新しいバイクライフを広げてくれる一台になるはずです。